空港の話し
私はこの巨大な構造物が結構お気に入りだ
もちろん飛行機も大好きだし
空港という独特の旅のワクワクする空気感も大好きなのだが
それを差し引いてもお気に入りの構造物といえる。
建物の骨組みがむき出しの部分が多く
天井は採光のためだと思われるガラス張りの部分が多い
そして、人が密集する搭乗口・航空会社のカウンター付近も天井が高くて空気が澱まない
そして、何と言っても
光と影が作り出す景色が好きだ
搭乗口で、おばあちゃんと思われる落ち着きのある方と
高校生くらいのスラッとしたモデル体型でストレートヘアが美しい女の子を見かけた。
2人で長い時間ハグをしていたのがどうしても視界に入って気になってしまった。
ふと女の子の顔を見ると、泣き腫らした目が真っ赤になっている。
別れ際、おばあちゃんは、出発の飛行機がたくさんあってどれか分からないから見送らないよ!と言っていたのを聞いたのだが
その後、陽が照り出し蒸し暑くなりつつあるデッキで、そのおばあちゃんとおじいちゃんを見かけた。
出発ラッシュで行き交う飛行機は、私でも訳がわからなくなる程の混み具合だったのだが、
それでもおばあちゃんとおじいちゃんは無言でずっと飛行機の群れを見つめていた。
私は何故だか涙が溢れそうなのを精一杯堪え、欠伸をする真似までしていた。
感情が行き交う場所、
感情が溢れ出る場所、
空港は特別な場所だ。