アバルト君
数週間前、旦那は重大な決心を胸に秘めドイツ旅行から帰ってきた。
相棒アバルト君を手放すと言うのだ。ニュルを走った際起こったことが起因していた。
アバルト君は私と旦那が結婚する前からの付き合い。
一緒に色んなところに行った。旦那と二人で、一番想い出深いのは千葉の袖ヶ浦だね、と話した。
アバルト君とさよならするのはとても寂しいが、仕方がないことでもある。
かい十(2歳)もアバルト君が違う家に行っちゃったね、と外に出るとしばしば呟く。
アバルト君が心地よい加速をするときの
ブォォーーーーーーン パァーーンという大きすぎず小さすぎもしない音が好きだ。
エンジン音やガソリンの匂い、ゴムの焦げる匂い、荷重移動、クルマは繊細な感性を磨いてくれる。
私は特にクルマに詳しいわけではないが、それでも彼のお陰で、クルマの楽しさを知っている。
かい十もアバルト君のパァーーンという音と山道を走るのがお気に入りだ。そして遠心力や慣性力を体で感じて喜ぶ。
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これまで我が家にはDAIHATSU コペン、SUBARU R-2スーパーチャージャーも居たことがあった。
クルマ好き・クルママニアの旦那と、小さな可愛いクルマが好きな私の趣向を合わせるとこんなクルマに行き着いてしまう。
未だにどれも愛しい存在で、街中ですれ違う度に嬉しくなる。
暫くはアバルト君とすれ違う度に胸がズキンとするのだと思う。
アバルト君、寂しいよ。
今までありがとう。
でも、次にどんなクルマに出会えるのか楽しみでもある。次は小さなオープンカーだろう。